トラム(Tram/Tramway)とは、路面電車やLRTをひっくるめた総称です。英語圏では、LRTという用語も呼称としてつかわれる事が多くなっていますが、ヨーロッパでは、西欧・中東欧問わず路面電車・LRTはすべてTramと呼ばれて親しまれています。
英国をはじめヨーロッパの多くの国で「Tram」は庶民の足として活躍していますが、それはアメリカ、オセアニア、アジア、そして日本へと拡がりつつあります。
このように、世界中で最も身近で手軽な都市交通機関として、トラムは使われています。「路面電車(チンチン電車)」と言えば、少し前までは時代遅れの乗り物というイメージがありましたが、公害問題を契機に次世代LRTが開発されクリーンな乗り物としてトラムが見直されました。
今では最新技術を導入して地下鉄などの他の都市交通機関に勝るとも劣らない近代的な乗り物として欧米の多くの街で、どんどんトラムが復活しています。
トラムは基本的に道路の上を走ります。大規模な電鉄のようにわざわざ専用の線路の場所を確保する必要がなく、街角に設置された電停(停車場)までさほど歩かずに気軽に乗り降りができる都市交通システムです。
最近のトラムは最新技術を用いて、バリアフリー化・省エネ・低公害化を実現しています。特に、特殊な技術を用いて床を低くしてノンステップ化したLRTは、バリアフリーな公共交通の決定版として世界中の街で採用されています。
これらの街では、身障者や高齢者、ベビーカーも楽々乗降できる、人に優しい乗り物として親しまれています。
また、軌道や電停、電車までも併せて都市と一体化するデザインを施し、トラムがまちの新しい景観となるように工夫されている所もあります。
欧米の都心部では、トラムが走る道路を歩行者専用空間にして、まちの空間を人と電車の空間として開放しています。このような道路は「トランジットモール」と呼ばれ、歩行者中心の街のシンボルとなっています。
トランジットモールといえば、那覇国際通りも日曜日にトランジットマイルを行っており、好評を得ていますね。
近い将来、国際通りにもトラムが走ると素敵だと思いませんか?
郊外部では、トラムの線路は道路と分離されて敷設され、通常の電車並みに速く走ることができます。電車専用の軌道では、景観保護と騒音防止のために芝生軌道が採用されているケースもあります。 芝生のグリーンベルトに沿って陽の光に輝くトラムが走る姿は美しいものです。
沖縄の海沿いルートでは、また格別に光り輝くことでしょう。